COMSAだけじゃない!国内外の注目すべきICOプラットフォームをまとめてみた。

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目次

はじめに

ICOという新しい資金調達手法が注目を浴びています。ICOとは、簡単に言えば、仮想通貨を用いた資金調達手法のことを指します。もう少し具体的に言えば、企業や個人がブロックチェーン上に独自の仮想通貨(デジタルトークン)を発行し、世界中から資金調達を行う仕組みです。ICOはクラウドファンディングと似ていると言われることがありますが、両者の大きな違いとしては、「セカンダリーマーケット」の有無が挙げられます。ICOの場合、トークンを購入してからわりと即座に仮想通貨取引所で流通されることが多いので、流動性(換金性)が高いのです(もちろんトークンが仮想通貨取引所に上場しないとダメですけど)。一方、クラウドファンディングの場合はこうは行きません。このようにICOは資金調達の方法としてなかなか革新的な面があり、今後も市場規模は拡大していくと個人的に思っています(資金調達ニーズは存在し続けるし、ICOは世界全体で規制しない限りは止められないので)。だいぶ前置きが長くなりましたね。そろそろ、本題に移りましょう。今回は、国内外のICOプラットフォームの先進事例についてご紹介致します。すべて公開情報です。

 

国内外の注目すべきICOプラットフォーム

国内外の注目すべきICOプラットフォームを以下に記載します。

COMSA(コムサ)

まずはCOMSA。ブロックチェーン企業として有名なテックビューロがローンチしたサービスです。特徴としては、

  • 3種類のブロックチェーンに対応
  • 日本の仮想通貨法による法的根拠
  • COMSAの参加企業
  • ICO協議会の存在

が挙げられます。

3種類のブロックチェーンに対応

まず、3種類のブロックチェーンに対応の部分ですが、COMSAは

  • ビットコイン
  • イーサリアム
  • ネム

の3種類のブロックチェーンに対応しています。これまでは、ICOでの独自トークン発行といえば、イーサリアムブロックチェーン上で行うことが一般的でしたが、今回はテックビューロがプラットフォームの母体となるという背景もあって、ネムブロックチェーン上での発行も行うことが出来ます。仕様としては、イーサリアムの場合はERC20、ネムの場合はMosaicとなります。

日本の仮想通貨法による法的根拠

COMSAは日本の仮想通貨法による法的根拠を売りにしています。また、SECの規制対象とならないように、有価証券に該当しない性質のトークンを発行するとのこと。

COMSAの案件

COMSAは既に第3号案件まで決まっています。具体的な企業としては、

  • COMSA(10月)
  • プレミアムウォーターホールディングズ(11月中旬)
  • CAMPFIRE(11月下旬)

です。

ICO協議会の存在

COMSAはICO協議会という組織を設立し、ICOの調査研究および情報発信を行うとのことです。ICO協議会のメンバーは以下の通り。

  • Lon Wong(NEM.io財団の代表理事/ドラゴンフライフィンテックCEO)

  • Jeff McDonald(NEM.io財団の代表副理事)

  • 村口 和孝(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ代表)

  • 平野 洋一郎(インフォテリア株式会社代表取締役社長)

  • 西村 依希子(株式会社マネーパートナーズ広報・新規事業推進室長)

  • 狩野 仁志(株式会社フィスコ代表取締役社長)

  • 八木 隆二(株式会社カイカCEO兼代表取締役会長)

  • 兼元 謙任(株式会社オウケイウェイヴ代表取締役社長)

  • 岩井 陽介(アララ株式会社代表取締役)

  • Nate D'Amico(CEO of DTK.io テックビューロの開発パートナー)

  • 田中 邦裕(さくらインターネット株式会社代表取締役社長)

  • 小笠原 治(株式会社ABBALab代表取締役)

  • 佐藤 航陽(株式会社メタップス代表取締役社長)

  • 井面 善友(東海東京証券 企業金融部長)

  • 伊藤 昌彦(三菱UFJ信託銀行株式会社経営企画部副部長 FinTech推進室長)

  • 志茂 博(コンセンサス・ベイス株式会社のCEO/JPX、大和証券、ソフトバンクなどのブロックチェーン実験を実施/Ethereum Enterprise会員)

  • 宍戸 健(東京ビットコイン会議)

  • 大石 哲之(株式会社ユナイテッド・ビットコイナーズCSO)

  • 家入 一真(株式会社CAMPFIRE CEO)

  • 中村 仁(株式会社お金のデザイン CEO)

COMSAに出資するVC(ベンチャーキャピタル)

驚くべきことに、いくつかのVCがCOMSAに出資することを明らかにしています。具体的には、以下の3社

  • フィスコ
  • 日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP)
  • AABAlab

がCOMSAのICOに参加することを発表しています。このうち、フィスコは仮想通貨専門の投資ファンド「FISCO Crypto Currency Fund(仮称)」を設立し、10億円相当の投資を行うことを決定しています。日本テクノロジーベンチャーパートナーズはDeNA(ディー・エヌ・エー)の黎明期に出資したVCとして著名で、テックビューロにも出資しています。代表の村口氏はICO協議会のメンバーでもあります。AABAlabはIoTに注力するファンドであり、COMSAプラットフォーム上で発行されるトークンのうち、IoT関連のものにも投資していくとのことです。将来的にはIOTAあたりにも投資していくのでしょうか。要注目です。

トークンセールの開始日・終了日

COMSAトークンセールの押さえておくべき日程ですが、

  • 開始日:2017年10月2日 14時
  • 終了日:2017年11月6日 14時

ホワイトペーパーはこちらからダウンロードできます。

 

CoinList(コインリスト)

コインリストは仮想通貨のICOを支援するプラットフォームです。ポイントとしては、

  • 米エンジェルリストが展開
  • 1号案件「FileCoin」がICO実施済
  • 法規制面を遵守すべく、SAFTを採用

が挙げられます。

米エンジェルリストが展開

CoinList(コインリスト)は、米国のクラウドファンディングのプラットフォーム運営業者として著名なエンジェルリストが米国のProtocol Labという企業と共同で立ち上げたサービスです。

1号案件「FileCoin」がICO実施済

このProtocol Labがローンチしているサービス「FileCoin」がコインリストでの第一号のICO案件です。既にICOは実施されています。

法規制面を遵守すべく、SAFTを採用

また、法規制面を遵守すべく、SAFTという仕組みを採用しています。SAFTというのは、Simple Token for Simpleの略称です。また、投資家保護の観点から、コインリストでのICOに参加できる投資家はかなり限定されていて、年収20万ドル以上もしくは総資産100万ドル以上の認定された投資家のみトークンを購入できるようになっています。投資家保護の観点は重要ですが、これでは従来のエンジェル投資とあんまり変わらなく、このあたりのバランスをどう取っていくのかは今後の重要な論点となるでしょう。

Token Market(トークンマーケット)

トークンマーケットはICO関連の情報をまとめたウェブサイトですが、ファーストブラッドのICOをサポートした実績もあったり、個人投資家と企業を結びつけている面もあったりするので、広義のプラットフォームと捉えることもできると思います。最新のICO関連情報が載っていて役に立ちます。ジブラルタルに本社を構えているようなのですが、これもおそらくは法規制面への配慮からだと思います。

参考:TokenMarket - Tokens, cryptocurrencies, blockchain crowdfunding

Cofound.it(コーファウンド・イット)

Cofound.itは2017年6月にトークンセールを実施したICOプラットフォーム事業者です。シンガポールを拠点とし、事業者の審査(デューデリジェンス)を行うことに特色があります。筆者はトークンセールには参加はしていませんが、CFIトークンはいくらか保有しています。まあ、2017年8月11日現在において、仮想通貨時価総額ランキングで144位であり、あまり成績は芳しくありませんが、プロジェクトの方向性としては悪くないと思いますし、案件自体もそれなりのペースで出てきているので、もうすこし様子を見てみるつもりです。ウィリアム・ムーゲイヤーがアドバイザーとなっているのが何気にjポイントかも。公式サイトは以下のリンクから閲覧することができます。

参考:Cofound.it: A distributed VC ecosystem for the distributed future

Fund Yourself Now(ファンド・ユアセルフ・ナウ)

Fund Yourself Now(ファンド・ユアセルフ・ナウ)はシンガポールに本拠を置くICOプラットフォーム事業です。Cofound.itと同様、こちらもデューデリジェンスに重きを置いた仕様となっています。加えて、特徴的な点があります。それは詐欺的なトークンセールを回避すべく、段階的なファイナンスを行う仕組みを導入していることです。要は、一気にドカッと資金調達して、集めたイーサを持ち逃げみたいなことが出来ないようにしているわけです。この仕組みは非常に筋が良いと思っていまして、個人的には注目しています。また、New Alchemyという企業がスマートコントラクト監査を行っており、ICOに監査を持ち込んだ点もなかなか特徴的です。

参考:FundYourselfNow - Crowdfunding Revolutionized

KICKICO(キック・アイシーオー)

KickICOはイーサリアムブロックチェーンベースのICOプラットフォーム。プレICOで5000ETHを集めており、8月29日にICOがスタートしています。従来のクラウドファンディングの手数料は10%〜20%ですが、KICKICOでは4%です。ちょっと投資してみるのもおもしろいかもしれません。

参考:CRYPTOVOLUTION STARTS NOW! - KICKICO

 

最後に

いかがでしたでしょうか。国内外を問わず、様々な企業がICOプラットフォーム事業の運営に乗り出しています。現段階では、どのプラットフォームも「始まったばかり」であり、なかなか判断はつかないところではありますが、やはり日本人としてはCOMSAを応援したいという気持ちがあります。一号案件はCOMSA自身のICOとなりますが、フィスコを始めとする企業もCOMSAのICOに参加することが決まっており、かなり話題となりそうです。さらに、個人投資家の中でも、与沢翼氏が参加することを表明しており、こちらも話題となりそうです。与沢氏については筆者は特段コメントをする立場にはありませんが、富裕な投資家である彼がICO投資に乗り出してきたことは注目に値する事実だと思います。というのも、米国では著名な投資家がICO投資に参戦し始めているからです。具体的には、スカイプやバイドゥの初期投資家として著名なティム・ドレイパーです。彼がBancor(バンコール)やTezos(テゾス)のプレセールに参加したこともあって、これらのトークンセールは成功に終わった。そんな側面もあると思います。また、ティム・ドレイパー以外にも、著名なベンチャーキャピタリストがICOに投資するファンドに出資を始めていたり、このあたりはまた改めて記事にしたいと思います。