ロボアドバイザー「楽ラップ」を提供する楽天がFINATEXT社と提携した理由

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目次

こんにちは。

 

毎度述べている通り、個人的に最もオススメなロボアドバイザーサービスはWealth Navi なのですが、本日は、楽天が提供するロボアドバイザーサービス「楽ラップ」に関連してFinatext社についてまとめてみます。

Wealth Navi

東大卒が中心のFinTechスタートアップ | 創業者は林良太氏

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(画像引用:FINOLAB

東大経済学部卒のメンバーが中心となって設立されたスタートアップのようです。代表は、林良太氏。林氏のプロフィールについては、東洋経済オンラインでまとまったものがあったので、引用しておきます。

金融ベンチャー Finatext CEO
金融テクノロジーのベンチャー、Finatext CEO兼共同創業者。東京大学経済学部卒業後、英ブリストル大学のComputer Scienceを経て、日本人初の現地新卒でドイツ銀行ロンドンに2009年入社。ヨーロッパ全域での株式機関投資家営業などに従事し、2013年より国内最大規模級のヘッジファンド大手のGCI(代表:山内英貴氏)に参画。東京にて同社のグローバルビジネスを急拡大させた後、GCIのバックアップを受け、2013年Finatextを創業、現職に。

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日経CPI Nowを構築するナウキャスト社と経営統合

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(画像引用:PR TIMES

2016年8月1日に、Finatext社は、ビッグデータ解析に強みを持つナウキャスト社と提携を発表したことも覚えておくべきでしょう。ナウキャスト社は、東大大学院経済学研究科教授の渡辺努氏が立ち上げたスタートアップ企業。ナウキャスト社の会社概要については、PR TIMESの記述が役に立ちます。以下に、抜粋します。

◆株式会社ナウキャストについて
ナウキャストは「経済の“今”を知る」ことが出来る世界の実現を目指し、ビッグデータ解析により、消費者物価指数を始めとする経済統計のリアルタイム化、企業の経営戦略の見える化を行う東大発ベンチャーです。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在リアルタイム統計データベースサービス『NowcaSTats』を展開し、国内外220社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しています。

 

ロイターと提携 | 

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(画像引用:dots

また、2016年4月には、同社はロイターと業務提携を行っています。Finatext が持つユーザデータに加え、トムソン・ロイターが収録する世界の金融・経済情報及びニュースのデータを Finatext の AI 解析エンジンにより分析。より多角的な市場動向の解析、投資判断の推測、評価が迅速かつ簡便に提供できる「市場動向分析サービス」の開発を目指すということ。提携を担当する石橋氏によれば、

「ロイターから非常に価値のあるデータを提供してもらえるので、それに私たちの東大を背景とした学術や、AIなどの技術を用いることで、金融市場でまだ顕在化していない情報を組み上げ、新たな価値を生み出していきたいと思います。」

とのこと。dotsにおいて、石橋氏が登壇したカンファレンスでのレポートが記載されています。参考になるの、一部、参考となる箇所を抜粋しておきます。

Finatextは、楽天証券株式会社と連携した「あすかぶ!」や、ヤフーグループのワイジェイFX株式会社と連携した「かるFX」など投資に関連したアプリを開発・運営しているフィンテックスタートアップです。
「トムソン・ロイター」との事業は、「トムソン・ロイター」が持つ経済情報やニュースをFinatextが機械学習によって解析し、市場の動向を分析するサービスを開発しようとするものです。
石橋さんが実現したいと考えたのは、「ある情報を元に、その情報が為替へどのような影響を与えるのかを為替アナリストが解説したようなニュース」を機械学習で生成すること。
その実現のためには、単語や文章を表現ベクトル化すること、表現ベクトルから為替などの特徴を強調するニューラルネットを構築すること、それに必要なデータを収集することが必要だと石橋さんは考えます。
現在は、単語を表現ベクトル化することは上手く行っているものの、文章を表現ベクトル化する段階でつまずいていると石橋さんは現状を報告しました。

 

マレーシア最大の銀行MayBank主催のFinTechコンテストで優勝

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(画像引用:Maybank.com

さらに、Finatext社は、マレーシア最大の銀行MayBankが主催するコンテストで優勝しています。まず、MayBankについては、PR TIMESに以下の記述がありますので、引用しておきます。

◆Maybankについて
Maybank(メイバンク)は、マレーシアのクアラルンプールに本社を置くマレーシア最大の銀行です。マレーシア以外にシンガポールやフィリピンなどの国内でも主要銀行であり、マレーシア証券取引所において時価総額は最大となっています。

参考:FintechベンチャーのFinatext、マレーシア最大手銀行主催のピッチコンテストで優勝!|株式会社Finatextのプレスリリース

このMayBankが主催する『#Maybankfintech』は、アジア中の200社以上が応募した大規模なコンテストのようですが、Finatextは日本企業で唯一最終ピッチを行うTop20社に選ばれ、最終ピッチを経て見事優勝を果たしたようです。

Wealth Navi

最後に

いかがでしたでしょうか。個人的には、国内のロボアドバイザーサービスとしては、Wealth Navi がイチオシなのですが、楽天が提供する楽ラップも、試して見る価値はあるかもしれません。10万円から投資を開始することができるようなので、余剰資金を使って、ロボアドバイザーサービスを提供するのも良いでしょう。

参考:楽ラップの特徴

  • 10万円から運用可能
  • 15個前後の質問に応えるだけ
  • 下落ショック機能(TVT機能)
  • State Street Global Advisors社の運用商品