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FINTECH LABO

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米国当局(FRB/NYDFS/FinCEN)の仮想通貨(ビットコイン)の規制に関する取り組みについてまとめてみた。

 

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目次

こんにちは。

 

本日は、米国当局の仮想通貨(ビットコイン)に関する取り組みについて調べてみました。

FRB(米連邦準備理事会)

FRB(米連邦準備理事会)のビットコインに対するスタンスについては以下の通り。

2013/11月:Ben Bernanke(ベン・バーナンキ)「長期的には有望」

FRBのバーナンキ前議長は2013/11月に書簡で、

(仮想通貨は)長期的には有望。

との見解を示しています。

2013/12月:Alan Greenspan(アラン・グリーンスパン)「Bitcoin(ビットコイン)は通貨ではない」

アラン・グリーンスパンの発言。

ビットコインは通貨ではない。ビットコインの本質的価値が何かを推測するため想像力を本当に膨らませなければならない。それを他の人はできるかもしれないが、私にはできない。

2014/2月:Jannet Yellen(ジャネット・イエレン)「FRBにビットコインの規制や監督をする権限はまったくない」

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は2014年2月27日の上院銀行委員会で、仮想通貨「ビットコイン」について、以下のようにコメント。

FRBにビットコインの監督や規制をする権限は全くない。これは完全に銀行業界の外で起きている決済上の革新であり、私が知る限り、ビットコインとFRBの監視対象である銀行の間に共通点はない。一元的な発行者やネットワーク運営者がいないため、ビットコインを規制するのは容易ではない。

2015/11月:Ben Bernanke(ベン・バーナンキ)「Bitcoin(ビットコイン)に関連するいくつかのアイデアには価値がある」

FRB(米連邦準備制度理事会)のBen Bernanke(ベン・バーナンキ)前議長は、

ビットコインに関連するいくつかのアイデアには価値がある。

と称賛する一方で、麻薬の売買やテロの資金調達といった犯罪にビットコインが悪用される懸念を理由に、政府がビットコイン促進に乗り出す可能性については否定。

 

NYDFS(ニューヨーク金融サービス局)

NYDFS(ニューヨーク金融サービス局)の状況です。

2014/1月:NYDFS公聴会で初めてビットコインに言及

2014年1月にNYDFS公聴会ではじめてビットコインに言及され、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)局長ベンジャミン・ロースキーによって提案されました。

2014/7月:BitLicence(ビットライセンス)の内容草案が公開

ビットライセンスは、2014年7月16日にその内容が公開された。規制内容については、ビットコインを取り扱う様々なユーザーを網羅する21の項目からなるPDFが公開されている。

2014/10月:BitLicence(ビットライセンス)のコメント期間が終了

2014年10月21日にニューヨーク金融サービス局(NYDFS)が提案する「BitLicense(ビットライセンス)」へのコメント期間が終了した。

Circle CEO Jeremy Allaireのコメント

ビットライセンスは産業の発展のための重要なマイルストーンである。しかしながら、いくつかの懸念があり、規制内容の緩和が必要だ。ビットコインの革新的な「資金移動手段」としての機能を規制してはならない。インターネットを媒介とするグローバル社会において、ビットコインが革新的だと言われる理由のひとつは、資金移動の容易さであり、その点を規制してしまえばビットコインの価値は激減してしまう。また、ビットコイン事業者への金融規制について、リスクベースの段階的なアプローチを取るべきだ。一気に金融規制を敷いてしまうと、資金力のないスタートアップは行動を制限されてしまうため、金融機関がそれぞれ信用リスク・カウンターパーティリスク・コンプライアンスリスクとリスクベースのアップローチを取っているように、ビットコイン事業者に対しても同様のアプローチを取るべきだ。コンプライアンス要件についても、大幅な改善が必要だ。提案されたアンチ・マネー・ロンダリングに関しては不必要であり、非現実的だ。アンチ・マネー・ロンダリングに関するNYDFSのアプローチはあまりに多くの自由裁量の上に立っており、仮想通貨事業という新たなビジネスに適用するには問題が多く残っている。

2014/12月:NYDFSがBitLicence(ビットライセンス)への3746件の提言書を公開

ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)局長のベンジャミン・ロースキー氏は、ビットコイン事業のライセンス化を図る「BitLicense(ビットライセンス)」制度へと送られた3,746件の提言書を公開した。

参考:DFS: Comments Regarding the Proposed Virtual Currency Regulatory Framework

Amazon(アマゾン)

Amazon(アマゾン)の提言は以下の通り。

現行のビットライセンスの枠組みにおける「仮想通貨」の定義が曖昧であり、ビットコインなどのオープンな環境で使われる「暗号通貨」と、アマゾンなど閉じた環境で使われる「ゲーム内通貨」、「不換通貨建てのプリペイドマネー」、「補充可能なプリペイドマネー」をそれぞれ明確に定義し、ビットライセンスで規制対象となる「仮想通貨」から明確に除外可能な文言を記すべきだ。

Wallmart(ウォルマート)

Wallmart(ウォルマート)の提言は以下のとおり。

提案された規制案が、ギフトカードにまで影響が及ぶように解釈出来る余地があることをウォルマートは懸念している。つまり、NY引き渡し資産法103条(NY abandoned property law)で定義されている商品券は、バーチャルな仮想通貨として考慮されていない。成功報酬か、リワードとすれば、このプログラムは完璧なものとなるだろう。

Westernunion(ウエスタンユニオン)

Westernunion(ウエスタンユニオン)の提言は以下の通り。

ビットライセンスの最終決定においては、非金融活動あるいは資金移動業者がビットライセンス取得者と提携し業務を行う場合、仮想通貨ビジネス活動(VCBA)の範囲にないことを明示すること、そして、送金のために仮想通貨決済を受け付ける場合も、資金移動業者の場合はNYDFSによるビットライセンス承認要件を免除することを明示するべきだ。

参考:Westernunion 提言書

2015/2月:BitLicence(ビットライセンス)の最新バージョンが公開

BitLicense(ビットライセンス)の最新版が2月5日にリリースされた。

参考:NEW YORK STATE DEPARTMENT OF FINANCIAL SERVICES PROPOSED NEW YORK CODES, RULES AND REGULATIONS

2015/5月:itBit(イットビット)に銀行免許を交付

2015年5月7日、イットビットがNYDFSから銀行免許の交付を受けています。ビットライセンスより取得困難な銀行免許を取得したことになります。

2015/6月:BitLicence(ビットライセンス)の最終版を公開

ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)所長であり、今月末に辞任するベンジャミン・ロースキー氏は最後の仕事として、ビットライセンスの最終版を公表した。

Brian Ford(ブライアン・フォード)氏の提案を元に改善

以前のブライアン・フォード氏の指摘については以下のとおり。

正しく規制が行われた場合、デジタル通貨スタートアップへの投資は大きく促進され、新たな雇用が生まれ、消費者は安全かつ高速な最先端の金融サービスの恩恵を受けることができるだろう。NYDFSは金融規制の先導者であることは間違いない。しかし、規制が施行されてしまえば、ビットライセンスの良い点も悪い点も関係なく、アメリカの殆どの州で模倣されてしまうであろうことが問題だ。もし模倣されてしまえば、アメリカ中のすべてのビットコイン企業は、規制による負担を抱え、最もうまく資金調達を行った企業のみが生き残ることになるだろう。そしてこれは、「サービスやプロダクトが優秀か」ではなく「大量の資金にアクセスできるか」で決まってしまう。企業は恐らく、NYDFSの認可が降りるまでニューヨークの市民に新たな機能やセキュリティを提供することはないだろう。そして、米国はビットコインの分野で他国に後塵を拝することになる。

Coin Center(コインセンター)ジェリー・ブリトー氏

当初の提案からは随分と改善が見られている。それでも、最終版のビットライセンスは改善には程遠い。これならカリフォルニア州のAB1326の方がマシだ。

 

FinCEN(金融犯罪執行ネットワーク)

FinCEN(金融犯罪執行ネットワーク)の状況です。

2013/3月:FinCEN「仮想通貨はお金の一種。本物の通貨のように扱わなければならない」

3月18日にも仮想通貨に対するスタンスを明らかにするため、

仮想通貨はお金の一種であり、本物の通貨のように扱われるべきである。

という指針を示しています。

2013/12月:米FinCEN「ビットコイン業者に対して事実上の業務停止命令」

2013年12月17日付けのChicago Tribuneによると、業者がBitcoin(ビットコイン)を用いた業務を行う場合には、関連法規の規制の対象となり、国際送金などを行う場合には「国際送金事業者」としての許認可を受ける必要があるとする見解を伝えたとしている。Bitcoinのスタートアップ企業の中で正式に国際送金事業者の免許を取得している業者は現状では極めて少数。今回のFinCENによる通達は「国際送金事業者」としての連邦政府の正式な認可を受けていない大多数のBitcoin(ビットコイン)スタートアップ企業に対しては、事実上の業務停止を命じたものとなる。今後、Bitcoinの海外送金などを行う業者が業務を再開するためには、FinCENと州政府の両方の許可を得る必要がある。小規模なBitcoinの業者のほとんどは事業再開はできないものとみられている。

2014/1月:米FinCEN「採掘者と投資家は為替業務取扱業者ではないことを明示せよ」

2014年1月30日、米財務省でマネーロンダリングなどの金融犯罪捜査を担当するFinCENが2つの規定を発表。BSA(Bank Secrecy Act、銀行秘密情報報告法)が仮想通貨に関わるどのような活動に適用されるのかを明確にするための追加的な情報となる。

1. 仮想通貨を自身の目的のためにのみ採掘する採掘者は為替業務取扱業者ではない。

2. 投資として仮想通貨を購入し売却する企業も為替業務取扱業者ではない。

これまでFinCENは、ビットコインを自身の目的のために採掘する限り、FinCENにMSB(Money Services Business)として登録することなしに、取引所で換金もしくはそのままビットコインを使用することができることを明らかにしていた。

2014/10月:米FInCEN「ビットコイン決済・交換サービスを差金決済業とみなす」

金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)は、2014年10月27日にビットコインの決済処理サービス・交換サービス事業をマネーサービス事業(MSB)として、米国の法律の下で管理可能とする指針を新たにリリース。

2015/5月:Ripple(リップル)の完全子会社「XRP II, Inc」に銀行秘密法(BSA)違反で米FinCENが70万ドルの罰金を要求

カリフォルニア州に本拠を置くリップルラボの、トレードシステム「リップルトレード」を提供する完全子会社XRP II, Incに対し、マネーサービス業(MSB)未登録状態で為替交換事業を行ったとして銀行秘密法(BSA)違反で70万ドルの罰金を支払うことを命じた。これは、アメリカ西海岸AMLフォーラムの基調講演においてカルベリー氏が仮

仮想通貨業界の企業を監督する。

と述べた一日前の出来事だ。

2015/10月:米FinCENが仮想通貨の監督を引受け

米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)局長のジェニファー・シャスキー・カルベリー氏は、現在、同機関が仮想通貨事業者の取り締まりを行うため、関連企業の調査を行っていることを発表した。リップルラボとFinCENの攻防はラボのAML/CTFコンプライアンスを促進することを条件に、罰金を支払うことで合意したことになっているが、業界全体で見れば一件落着とはいかないことは自明。BitLicence(ビットライセンス)による事業免許制度に加え、FinCENによる取り締まりが加わることで、多くのスタートアップは萎縮せざるを得ない状況下に置かれることになる。カルベリー氏は、仮想通貨の技術について、

(仮想通貨の)イノベーションは賞賛に値する。

と述べながらも、取り締まりの必要性を説き、次なる仮想通貨関連企業に対しても強制措置を取ることも厭わないと強硬な姿勢を見せている。